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3rdアルバム『 PASION 』

 本作では前2作とは趣向ががらりと変わって、本場ラテンの地で身に付けた明るく軽快なテンポの楽曲が中心に収められており、「ラ・バンバ」「シエリト・リンド」「ラ・ビキーナ」といったメキシコの名曲から、「アポロニータ」「ビーノ・ブランコ」「キルパ」といったパラグアイ、ベネズエラの楽曲などが収録されています。アルパの特性を最大限に活かした上松美香の演奏は聴き応え十分の素晴らしい内容となっています。尚、レコーディングは現地メキシコで行われ、ギター、チェロ、チャランゴ、ハラナ、クアトロ、マラカスなどの競演によってより重厚でリズミカルな仕上がりとなっています。
(CDジャケット内の写真)


※解説は歌詞カードより抜粋
 1. シエリト・リンド CIELITO LINDO

 オープニングの曲は、今回レコーディングを行ったメキシコの代表曲。メキシコの第2国家とも言われて親しまれているこの曲の題名は「美しい空」で、可愛い恋人を空に喩えて歌われています。ご存知ワルツのメロディーから、ウアパンゴのリズムに変わり、更にベラクレスハローチョのリズムで演奏されています。

 2. アポロニータ APOLONITA

 パラグアイを代表するアルパ奏者エンリケ・サマニエゴの作曲で、大変美しいメロディーを持つポルカの名曲。しかし、演奏者には難曲とされており、休む暇なく弾ききらなければなりません。

 3. ラ・ビキーナ LA BIKINA

 メキシコのマリアッチの演奏で大ヒットした楽しい曲。ビキニ姿のお嬢さんが町を歩けばみんなが振り返るといった内容で、転調があるため、ジャベという器具を使って半音を出すテクニックが聴きもの。
 4. ビーノ・ブランコ VINO BLANCO

 ベネズエラのホローポという軽快なリズムに乗って、上松美香のアルパが軽やかに響きます。セルソのクアトロ(4弦小型ギター)とロドリーゴのマラカスがサポートして、とても心地良い曲に仕上がりました。

 5. キルパ QUIRPA

 これもベネズエラの平原地方(ジャーノという)の有名曲で早いリズムに合わせてアルパが活躍します。一定のコード・パターンに則ってアルパはアドリブで演奏されます。低音の弦の弾き方等とてもユニークで魅力的です。

 6. エクアドル ECUADOR

 キューバ出身で現在はアメリカ西海岸に住むアルパ奏者アルフレッド・ロランド・オルティスは、演奏家としては勿論、アルパの名曲を世に送り出している作曲家としての評価が高い人です。上松美香のファーストアルバムにも収録され評判の良い「月光る海辺」も彼の作品です。ここでも情感溢れるメロディーに、ロドリーゴのチェロがより雰囲気を盛り上げています。

 7. グアラニ帝国 IMPERIO GUARANI

 パラグアイ出身でブラジルのサンパウロで活躍するアルパ奏者オスバルド・ガオーナの作品。かつてのパラグアイを中心に住んでいたグアラニ族は、現在は混血等により純粋な種族はほんの少ししかいなくなってしまいました。過去の栄華を懐かしむかのような美しい旋律が胸に迫ります。

 8. コンドルは飛んでいく〜花祭り EL CONDOR PASA 〜EL HUMAHUAQUENO

 南米ペルーとアルゼンチンの大ヒット曲のメドレーで、いわゆるフォルクローレの曲としてケーナやサンポーニャといったアンデスの笛類で演奏されることが多いのですが、ここではセルソのチャランゴ(10弦の小型弦楽器)のバックもあり、上松美香がアルパでフォルクローレに挑戦しています。

 9. サパテアード・ベラクルサーノ ZAPATEADO VERACRUZANO

 メキシコのアルパの本場はベラクルス地方です。陽気で明るい人達が多いこの地方では、アルパのリズムに合わせて踊るのも日常茶飯事で、早いリズムに合わせて動く、足のステップをサパテアードといいます。そんな光景を表現したこの曲では、アルパ奏者の腕の見せ所、アドリブで腕を競います。上松美香も挑戦し、見事に弾きこなしています。

 10. 遥けき恋路 MI DICHA LEJANA

 パラグアイを代表する作曲家デメトリオ・オルティスの作品で、大変ロマンチックな恋の歌です。上松美香は、この曲をアレンジするにあたって調弦を変えて独特のムードをうまく表現しています。

 11. 君の影になりたい SERE TU SOMBRA

 南米ベネズエラには多くの美しいワルツの曲があります。その中でも最も有名な曲の1つがこの曲です。流れるような美しいメロディーはアルパにピッタリです。ここではパラグアイのアルパ名手ニコラス・カバジェーロのアレンジを参考に、その難しいテクニックに挑戦しています。ルンバのリズムに変わり、半音を駆使したアレンジに注目して下さい。

 12. イスラ・サカ ISLA SACA

 パラグアイのアルパの演奏曲としてよく知られています。軽やかなポルカのリズムにアルパの音色が映えます。パラグアイは内陸国なので海はありませんが、大きな河が流れていて、昔は船で河を下って海まで行き来していました。そんな大きな河の中にあるひとつの島がサカ島です。

 13. エル・ハラベ・タパティオ EL JARABE TAPATIO

 この曲は、メキシコ中央高原にあるマリアッチの本場ハリスコ州の舞曲で、通常マリアッチによって演奏されます。「メキシカン・ハット・ダンス」という名前でも知られていますが、上松美香はマリアッチの感じを残して魅力的なアレンジで聞かせます。

 14. ラ・バンバ LA BAMBA

 ご存知メキシコのベラクルス地方の曲で、世界的に大ヒットしました。ここでは、最初によく知られたグアヒーラ調のリズムから入って、途中から本場ベラクルスのリズムのハローチョで演奏されます。伴奏のハラーナも心地よく響きます。


 
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